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蹴りたい背中
■著者 綿矢 りさ
■星   ★★★★

蹴りたい背中
蹴りたい背中綿矢 りさ 河出書房新社 2007-04-05売り上げランキング : 2165おすすめ平均 starstarこんな風に人生考えてたらつまんねえでござるよstar一気に読んだstarサド的に孤独な想像力Amazonで詳しく見る by G-Tools


■説明
さびしさは鳴る。自分や自分のまわりの高校生をさめた目でみつめる自分。そうして、周りに迎合できない自分の寂しさ。

■感想
最初の1段落目、ニュースな本棚によると、

三浦哲郎
けれども、この人の文章は書き出しから素直に頭に入ってこなかった。たとえば『葉緑体? オオカナダモ? ハッ。っていうこのスタンス。』という不可解な文章。


という選評もあったということだ。実は私もこの最初の一段落を読んで「読めないかもな。。」と思った。 まさに三浦哲郎さんと同じ部分で意味不明な文だと思い、次にもう一回間をおかずにスタンスという言葉が出る部分まで、いまひとつよく分からない。なぜここがわからないかというと、このハッという言葉がどういう感情なりを表しているのか想像がつかないから。 ハッ。っていうこのスタンス。といわれてもどんなスタンスだかよくわからないのだ。 
 上でリンクしたニュースな本棚では、三浦哲郎さんが72だから?という話にまとまっているが、まあ私はまだまだ70には程遠いが、若者文化のわからない輩の一人なのであろう。

 文章力、説明力の低下から擬音語、擬態語を多用してしまうのが、最近の若者であると聞いた事があり、まあそれからすると、この文章ひとつで、この主人公の年代が分かるといえば分かるのだけれど。。

 芥川賞受賞作だとはいえ、しょっぱなからこの様子だったので、この本にはまったく期待していなかった。でも、読んでみて思ったのは、ものすごく周辺描写が上手い。(最近の若者らしからぬ?)
 たとえば、
ここは一人用のお部屋だ。空気が部屋の持ち主一人分しかなくて苦しい。
と、他人の部屋にあがりこんでしまい、所在ないときの様子が書き表されていたり、

 たとえば、駅前の無印良品にバレー部の遠征に出かける前に立ち寄った違和感は、
運動靴の底にこびりついている砂が歩く度に磨かれた床に零れ落ちてゆく

とある。 磨かれて自分の顔も映りそうなほどの床に 歩くたびに靴底の形にプレスされた土が落ちるその気まずさと、所在なさ。でも心のどこかには、綺麗に整いすぎているものに自分の足跡をつけて所有するかのような完全なものを崩してしまいたいような、小さな衝動もあるのかもしれない。

 主人公は、人に迎合することなく周りの子たちが皆くだらなく幼く見えてしまう時期なのだろう。だから、孤独感に苛まれる。この本は主人公の孤独が最初から最後まで書かれている。そうして、その孤独は凶暴に殻をやぶりたいと思っているのではないのかな。。それが蹴りたい背中。 恋はアリエナイと私には思えたのだけれど。 どうだろう。
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