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【ネタバレ】恋する文豪
注意)多少のネタバレ

この記事は ネタバレを含む感想です。本の冒頭のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。

■著者 柴門 ふみ
■星   ★★★★ 

 
恋する文豪
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■説明
 マンガ家の柴門ふみさんが、良く知られた小説を読み解くという趣向の本

■感想
 本を手に取った理由のひとつは、かわいらしい椿の表紙だったから。 柴門ふみさんの名前はモチロン知っていたけれど、リンク先のwikipediaの漫画作品一覧をみてみると、意外にきちんと読んだ物がなかったことに気づいた。
小早川伸木の恋を途中まで読んだ位。 ドラマになった東京ラブストーリーは途中から見た。 カンチのアホー とつぶやきながらわりと一生懸命見た記憶がある。典型的なすれ違い物語りだったような。同期の友達によると、原作のリカは意味不明でヘンな女だったと聞いたので、あらためて読むのはよそうと思ったりしたことを思い出した。

 その柴門さんの本。

いやー。面白かった。今まで、「有名な本だけれどなあ」と冒頭から2ページくらいよんで、「やっぱ。やめとこ」と読めなかった本がいくつもあるのだが、柴門さんの語りは「そうなのよねえ」とつい頷くように親しみやすい。

たとえば、どうも苦手な 森鴎外の舞姫。 

 石炭をばはや積み果てつ
冒頭第一行から行き詰まってしまった。「石炭をば」って何?あるいは「石炭をばはや」なわけ?『広辞苑』で「をばはや」をひいてみようかしら。
石炭、をば、はや、積み果てつ「石炭をすでに積み終わってしまった」のだと気づくまでに数分間ついやしてしまった。


 もちろん、才媛の柴門さんが 「をばはや」をホンキで広辞苑でひこうと思われたワケはないのだけれど、こういうちょっと大げさなオフザケはつい「フフフ」と読んでしまう。

 そうなんだよなあ。 石炭をばはや積み果てつ なんていわれても情景がすぽんと頭に浮かぶまでに推理が必要なんですわ。

 川端康成の雪国はあまりにも有名。 でも、これも私は数ページで挫折した記憶があるのです。

 実際読んでみると、イメージとは正反対の超クールでシュール、アバンギャルドな作品であったのだ。 川端康成が新感覚派と呼ばれるのはなるほどである。非常に感覚的で時間と場所が前触れもなく飛躍するので、難解といえば難解だ。しかもテーマは甘ったるい恋愛などではなく人間の<得たいのしれなさと存在のはかなさ>なのであるから。



こんな風に冒頭からバッサリと分析していただけてしまうと、私としても、 「なーるほどー。過去に雪国を読もうとして挫折した私もフツーだったのかー」と妙に安心したりする。(^^;)ゞ

読んだことがある本は、もう一度読み返してみようかと思い、読んだことない本は「読まなくてもよかった」と思ったり「へえーそんな本なのか」と妙に興味をそそられたり、柴門さんの才能を感じました。

 どの本に関する章も面白かったのですが、「ヘエー」と思ったのは、 現都知事である石原慎太郎の『太陽の季節』もありました。 11月15日に6年間で2億四千万も使っていたという話があったそうで、その記憶も新しいところで、「そういえば、『太陽の季節』も有名で名前は聞いたことがあるけれど、読んだことないなあ。」とおもいつつこの章を読んだのですが、よんでみてびっくり。こんな話だったとは!
 

 人生において、何を喜びと感じるかで、人間を4つのパターンに分類できると最近ある人から聞いた

と、はじまって、4つのパターンは <王様タイプ><学者タイプ><職人タイプ>そうして最後が、『他者をやっつけることで快感を覚える<軍人タイプ>』だったのだそうだ。

 とにかく他人をコテンパンにやっつけることでしか気持ちよくなれないので、平和な世の中ではこんなはた迷惑な性格はない。和を以って尊しと為すとは真逆の、和を乱して大威張りの困った人たち。



 いやー。太陽の季節ってそういう筋だったのか。と読んだことない私は吃驚!

人は、快楽に支配される。他人を支配することでしか快感を得られない人間は、一生変わらない

 と登場人物の竜哉についてバッサリと柴門さんは書いてくださっているが、なんとなく 私はなるほどねえと妙に納得してしまいました。

 今年の8月31日に発行されたばかりの新しい本なので、冬ソナやらヒルズ族やら最近聞いた話題もおりまぜられて、特に読むならばこれらの言葉が新しい旬のうちが良いかなあ。などと思いました。

| 【ネタバレ】本 | 16:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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